外資系の企業は、テロ対策を中心とした災害対策を検討することが多くあります。日本は地震国ですが、本国のITディレクターはあまりそのことについて意識は高くないことがよくあります。まず、コスト優先、そして被災した時にも簡単に通える立地、これらが重要だったりするのです。想定している災害はテロですから、基本的には本社が入っているビルとその近隣が立ち入り禁止になるようなことを想定しているようです。
地震発生時にも使用できるバックアップオフィスを構築しようと考えた場合には、基本的には地震に強い建物であり、専用型の契約でないと難しいでしょう。しかし、その場合、当然高額になってきます。海外で共用型の安価なサービスに見慣れたITディレクターは、「日本のバックアップオフィスは、なんでこんなに高額なのだ!?」と疑問を持つことになり、なかなか日本でのバックアップオフィス構築がすすまないことがあります。もう少し日本の事情を知って欲しい!と切に思っているのは、オフィスを提案しているベンダーだけではなく日本法人のITマネージャもそう思っているようです。
そして、単純に遠いということで提案が却下されることもあります。日本で大規模な地震災害が発生した場合、広範囲にわたって建物の損壊の恐れがある被害を受けます。本番サイトと同時被災しない地域というのは、そんなに近くではありえません。且つ、首都圏では東京湾北部地震のような、発生確率の高く被害が甚大な災害を想定して災害対策を講じるべきだと思うのですが、バックアップオフィスを検討している場所がまさにその被害想定マップのど真ん中ということもよくあります。投資顧問会社などで、東京証券取引所が止まってしまうような地震なら、自社だけがすぐ復旧出来る必要はないようなことをおっしゃっているのを聞いたことがありますが、少々乱暴な論理のような気もします。単独災害だけを想定していれば社会的責任をまっとうできるかというと、それは難しいように思うからです。
テロなどの単独災害だけを想定しているのであれば、自社が被災しても交通網やライフラインは問題ないわけであり、同業他社が無傷で営業をしている間、遠隔地のバックアップオフィスを被災時の拠点にすることは、甚だ不利な状況だと感じている企業もいらっしゃるでしょう。近場に目が行くのは理解出来ます。どうやって様々な災害に対応出来る解決策を見出せるかが重要になってくると思います。
あれこれ申し上げましたが、実際にそれぞれの企業が支払うことが出来るコストは様々でございまして、どの企業も災害対策に相応のコストを支払えるかというとそうでもありません。そのような中でも各自災害対策を講じる、事業継続計画を策定していくとなると、やれる範囲で検討していかざるを得ないのも事実です。
ベストなBCPを初めから求めるのは無理があります。今よりベターな状況を序々に作り上げていくことが大事なのです。政府に対しては、災害対策を講じる企業に対して、色々な面で優遇していって頂けるよう、切に望みます。
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