次は、セカンドステージまでに構築したシステムのバックアップセンターをそのままに、単独災害にも柔軟に対応出来る方法を想定します。以下に必要な機能を記載します。
まず、初期段階・セカンドステージの機能を有し、それにバックアップオフィスを近隣に用意する形になります。
・近隣にあらかじめ確保したバックアップオフィスおよびオフィス機器類
・本番サイトから60km以上離れたシステムバックアップセンター
・システムバックアップセンターに併設したSE作業スペース兼事務作業スペースの為の広域災害時用バックアップオフィス
・CPU、バックアップサーバ類(常時立ち上げの必要はない場合もある)、オフィス機器類、什器備品類
・ストレージ、テープライブラリ及び通信機器
・専用線もしくはIP-VPN、インターネットVPN、広域イーサネット等を用意して本番システムとバックアップセンターのD2D非同期ミラーリング
・本番サイト、システムバックアップセンター及び近隣のバックアップオフィスを接続出来るようにネットワークを敷設
・リカバリーCD、災害復旧手順書
・空の磁気テープ(テープライブラリから毎日テープにバックアップ)
・バイタルデータ(事業継続に最低限必要なドキュメント類)
これらの機能を利用して、単独災害時には近隣のバックアップオフィスにて非常時下における業務を復旧させることが可能です。社員は自社以外は通常に業務を行っているという非常に不利な状況の中で、大きな負担もなく通勤することが出来ます。バックアップセンターとはネットワークで接続されており、SEはシステムバックアップセンターまで到着し、バックアップサーバ、ストレージ機器類の運用を行います。
また、広域災害時には、本番サイト及び近隣のバックアップオフィスは同時に被災すると思われます。本社機能のうち、その企業にとって優先度の高い業務に携わる者のみにしぼって、システムのバックアップセンターに併設のバックアップオフィスに到着し、業務を復旧させます。同一地域が多大な被害を受ける中、業務の縮退は余儀なくされるものの、事業継続のために最低限必要な対応を取ることが出来ます。
このレベルまで災害対策を実施することが出来れば、様々な災害に対し柔軟に対応出来るでしょう。企業の防災力が問われる中、ステークホルダーに対して自社の優位性を説くことも可能です。ディスクロージャーすることにより企業価値も高まりますし、今後大企業には必須になる内部統制監査にも、事業継続経営についての重要な部分はクリア出来ることになります。また、事業継続や災害対策について規格が標準化され、ISO化された場合には、それを取得することによる企業イメージの向上は大きなものになるでしょう。
これからは日本においても事業継続計画の策定は必須なものになってくると思われます。そのなかでもバックアップオフィスの重要性は今後ますます高まってくるでしょう。
<関連書籍>
中央防災会議「事業継続ガイドライン」の解説とQ&A―防災から始める企業の事業継続計画(BCP)
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